心に潤いを、明日の暮らしに安心を。
【社長コラム】:半径1メートルの小さな世界で見つけたもの
みなさま、こんにちは。 愛犬ルナとのんびり過ごす時間の中で、これまでの現役バリバリの頃には見過ごしていた“心の変化”について、今日はお話しさせてください。
先日、弊社と20年以上もの長いお付き合いをいただいている、ご高齢のお客様から一本のお電話がありました。
「池端さん、家賃を直接持っていきたいんやけど〜」
とてもありがたいお申し出だったのですが、
残念ながら弊社では防犯や管理の面から、現在は窓口での現金のお取り扱いをしておらず、お振込みのみとさせていただいております。
その方針を丁寧にお伝えすると、お客様は「そうなんかぁ」と快く受け入れてくださいました。
ですが、その後に少し不安そうに、こう続けられたのです。
「初めて自分で振り込みするんやけど、できるかなぁ……」
これまでは、ご家族の方が代わりに手続きをしてくださっていたのだそうです。
- 「きっと大丈夫ですよ」
とお声がけをしてお電話を切ったものの、私の心にはずっとそのお客様のことが気にかかっていました。
「今ごろ、迷わず銀行に行けているだろうか」
「無事に手続きできただろうか」と。
今の世の中は、本当に便利になりました。
ですが、すべてがデジタルになり、あまりにも急ぎ足で、複雑になりすぎてはいないでしょうか。
そのスピードについていくのが難しいご高齢の方々にとって、この社会は優しさを欠いた、少し不安な場所に映っているのかもしれません。
世の中で起きる様々な不安や争いも、そんな「急ぎすぎる複雑さ」から生まれているような気がして、私の心にも少しモヤモヤとした影が広がっていました。
しかしそんな私のモヤモヤを、一気に吹き飛ばしてくれる瞬間が訪れたのです。
プルルル、と鳴った電話を取ると、
『池端さん! うまく行けたよ〜〜!!』
受話器の向こうから、ものすごく元気な声が飛び込んできました。
慣れない足取りで郵便局や銀行をまわり、一生懸命に聞いて、ようやくお振込みができたのだそうです。
「大変やったわ〜!」と言いながらも、どこか誇らしげで嬉しそうなそのお声を聞いた瞬間、私も「本当によかった…!」と、心の底からホッと胸を撫で下ろしました。
こうして、お客様と20年、30年と長く関わらせていただいてきたからこそ、お互いの声を交わすだけで心が温かくなる。
便利なデジタルもいいけれど、この泥臭くて温かい繋がりこそが、私の心を一番元気に、豊かにしてくれるのだと、深い感謝が湧いてきました。

小さな命の輝き
そんな風に、仕事のペースを落としたからこそ出会えた「小さな命の輝き」が、私の家の中にもあります。
1日6〜7時間ほどのお仕事を終えて家に帰ると、愛犬のルナがいつものように迎えてくれます。
ルナの柔らかい毛並みを撫でながら、ただ家でゴロゴロと過ごす時間。
そこで、最近の私の「涙なしには見られない関心ごと」に出会いました。
YouTubeを開いては、自分と同じように更年期や体の不安と戦いながら、日々の暮らしを健気に営む誰かの日常の動画をそっと眺める。
あるいは、行き場をなくした動物たちの保護活動の映像を見つめる。
それは、かつて目標に向かって猛進していた頃の私なら、きっと見過ごしていたかもしれない、小さな、でも一生懸命な世界でした。
画面の向こうで一生懸命に生きる人や、健気な動物たちの姿に、ボロボロだった自分の心がじんわりと救われていく。
そんなお礼の気持ちも込めて、先日、小さな命をつなぐ愛護センターへ、自分の意思で少額の寄付を始めてみました。
誰かに言われたからではなく、自分の心の内側から湧き出た想いが溢れた時、胸の奥からストンと、大切な気づきが降りてきたのです。
「ああ、私は素晴らしい肩書きや社会的な成功ではなく、あのお電話のお客様や、ルナや、一生懸命に生きる小さな命……この『半径1メートルの愛おしい世界』を大切にし、互いに寄り添い合う生き方がしたかったんだな」と。
がむしゃらに走るのをやめて、ただの私に戻ってみたら、世界はこんなにも温かい潤いに満ちていました。

- 【いつも読んでくださるみなさまへ】 当社の管理物件にお住まいの入居者様や、オーナー様の中にも、きっと私と同じように「健康の不安」や「これからの人生、どう生きていこう」という悩みを抱えている方がたくさんいらっしゃると思います。
このブログが、そんな同世代のみなさまの心が、ふっと軽くなるような「雨宿りの場所」になれば幸いです。 これから、どうぞよろしくお願いいたします。