話題のドラマや映画から、防犯についての話題を広げてみませんか?
【防犯コラム第5回】

こんにちは、
防犯対策顧問・小比類巻文隆です。
「防犯について、家族で話したことはありますか?」
そう聞かれると、意外と「きちんと話したことはない」というご家庭も多いのではないでしょうか。
防犯というと、どうしても「怖い事件の話」「難しい犯罪の話」になりがちです。でも実は、普段楽しんでいるドラマや映画、アニメにも、防犯について考えるヒントはたくさん隠れています。
最近話題になった作品から、家族で防犯について話すきっかけを探してみましょう。

『VIVANT』から知る、「公安警察」ってどんな仕事?
大きな話題を呼んだドラマ『VIVANT』。壮大なストーリーの中で登場したのが「公安警察」です。
刑事ドラマに登場する警察官といえば、殺人や強盗などの事件を捜査し、犯人を追いかける姿をイメージする方が多いかもしれません。
一方、公安警察は、テロやスパイ活動など、国や社会の安全を脅かす事態に備え、情報を収集・分析することも重要な仕事です。
つまり、
「事件が起きてから犯人を捕まえる」だけではなく、危険につながる兆候を捉え、大きな事態になる前に防ぐ。
この「未然に防ぐ」という考え方は、私たちの日常の防犯にも通じます。
たとえば、
「最近、知らない人が家の周りを何度も歩いている」
「いつもと違う、不審な電話がかかってきた」
「SNSに怪しいメッセージが届いた」
そんな小さな違和感を「まあ、大丈夫だろう」と流してしまわず、一度立ち止まって考える。
事件や被害が起きてから対処するだけでなく、「何かおかしい」に早く気づくことも防犯なのです。

『ちいかわ』から考える、「その高額報酬、大丈夫?」
そして、子どもから大人まで人気の『ちいかわ』にも、防犯を考えるヒントがあります。
100億を越える興行収入となった映画『ちいかわ 人魚の島のひみつ』では、ちいかわたちが魅力的な報酬をきっかけに、ある場所へ向かう展開が描かれます。
これを現実社会に置き換えてみると、近年問題になっている「闇バイト」を考えるきっかけにもなります。
「簡単な仕事です」「高額報酬」「すぐに稼げます」。
そんな魅力的な言葉で募集し、詳しい仕事内容を知らせないまま、最終的に犯罪へ加担させる。SNSを通じて、若い世代がこうした犯罪に巻き込まれるケースも問題になっています
大人から一方的に、「怪しいアルバイトに応募しちゃダメ!」と注意するだけでは、子どもにはなかなか実感が湧かないかもしれません。
でも、大好きな作品を観ながら、
「どうして、ちいかわたちは行こうと思ったんだろう?」
「ものすごく条件のいいアルバイトを見つけたら、どうする?」
「怪しいと思ったら、誰に相談する?」
と話してみる。これなら、子ども自身が考える防犯教育になります。
防犯は、「怖がらせること」ではなく「考えること」
犯罪の手口は、時代とともに変化しています。「知らない人について行かない」「家の鍵をかける」といった昔からの防犯対策はもちろん大切ですが、それだけでは防ぎにくい犯罪も増えています。だからこそ大切なのが、自分で違和感に気づき、立ち止まって考え、必要なら誰かに相談する力です。
ドラマや映画なら、「この人、ちょっと怪しくない?」「ここで誰かに相談していたら?」「これって現実でも起こるのかな?」と、家族で自然に話すことができます。防犯について改まって話し合おうとすると難しくても、エンターテインメントが入口なら、ぐっと身近になります。
家族の会話も、「住まいの防犯」のひとつです
防犯カメラやセンサーライト、防犯性の高い鍵など、住まいを守る設備はとても重要です。でも、それと同じくらい大切なのが、そこで暮らす人たちの防犯意識です。
『VIVANT』からは、危険の兆候を見逃さず「未然に防ぐ」こと。
『ちいかわ』からは、魅力的な誘いの向こう側にある危険を「自分で考える」こと。
一見、防犯とは関係なさそうな作品からも、こんなにたくさんのヒントを見つけることができます。
発光土地建物では、建物としての「住まい」だけでなく、そこで暮らすご家族が安心して毎日を過ごせることも、大切な住環境のひとつだと考えています。次に家族でドラマや映画を楽しんだときには、「もし自分だったら、どうする?」そんな一言から、防犯について話を広げてみてはいかがでしょうか。
防犯対策顧問
元警視庁刑事・治安戦略アナリスト 小比類巻文隆
1973年・青森県出身/中国語通訳/1993年警視庁入庁〜2023年退官組織犯罪、麻薬・薬物銃器対策、国際犯罪における秘匿捜査などを専門とし、警視庁にて30年にわたり数々の重大事件に対応。「複雑化する犯罪・社会構造のなかで、行政と民間が手を携えて治安に取り組むことの重要性」を痛感し、退官後はその知見を活かし、地域防犯・外国人対策・企業の危機管理支援など、治安戦略のプロフェッショナルとして、作家、コメンテーター、講演家など、幅広い情報発信と活動を行っている。
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